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2015年5月15日金曜日

ブログの記述と地権者の証言



4月24日、黒木さんの第4回目の裁判があった。

今回もまた、裁判を傍聴されたイワシさんのブログ(「鰯の独白」 4月24日(ワ)86号・89号 第4回審理(宮崎地方裁判所延岡支部))によって、その様子を知ることができた。毎度の事ながら、あらためて感謝申し上げたい。

また、黒木さんご自身も当日の様子をブログに記述している。(宮崎地方裁判所延岡支部 第四回口頭審理を終えて) こうしたブログは、検索すれば誰でも、どこででも見ることができる「記録」となる。これは大変重要な事だと、僕は思う。



■ 金属スラグのリサイクル

日本国内で大量に発生する金属スラグ、「今までどうしていたのか?」「今後、どうするのか?」、これは一歩間違えば大規模公害問題に発展しかねない極めて重大な問題だ。そして「金属スラグのリサイクル」はまさに今、業界と行政が取り組んでいる課題でもある。

しかし、僕も含めて大多数の市民はそんな問題の存在さえ知らない。

もちろん業界や行政の言うように、金属スラグに「バラ色の未来」が待っているのなら、僕たちとすれば、それに越したことはない。けれど、実態はどうなのか…。

黒木さんへのスラップ訴訟やネット上でのバッシングを見れば、そこに「大きな力」が介在していることは誰の目にも明らかだ。僕が先日ブログで書いた「室蘭の鉄鋼スラグ汚染問題」も、報じているのは赤旗だけ、一般マスコミでは一切報道がない。群馬の件は「八ッ場ダム建設問題」があるので、報道されてはいるものの、一地方の小さな問題に矮小化されてしまって、広く周知されてはいない。

「もしかして、これ宮崎だけの問題じゃないんじゃないの…??」

そう感じている方も少なくないのではないか。今後も同様の事態が起こるのではないか…、と。だからこそ、ブログの記述は大変重要だと僕は思う。ひとつひとつの問題は地元の圧力によって、一時的には封印できるかもしれない。しかし、今は「点」でしかないこうした記録は、いずれ「線」になって繋がってくる、それがネットワークの可能性ではないだろうか。



■ 地権者の証言

ところで黒木さんの裁判、今回も僕には「目から鱗」的な驚きがあった。

裁判長「では、被告の方は」
はい、ここで恒例の黒木さん質問コーナー。
「尋問、といいますと?」
しかし裁判長は、前回のように焦れたりはしなかった。
「尋問というのはですね、当事者に事実を立証してもらう、ということです。当事者に、証人になってもらうことですね」
黒木さんは、「わかりました。地権者を」
(「鰯の独白」より)

… ええっ、地権者に証言させるの!

僕の認識では、原告側の主張は「黒木さんのブログの内容は事実と違う」であり、黒木さんは自分のブログの内容が間違いではないと主張する必要がある。

地権者たちは「土地造成」を依頼した土地の管理責任者。どちらかといえば原告側の立場のはずであり、「黒木さんのブログに間違いはありません」などと証言するとは思えない。おそらく弁護士たちと入念な打ち合わせをして、黒木さんもビックリするような作り話を並べ立てるに違いない…、僕は最初にそう思った。

しかし、しかし…、作り話を並べれば、それは「偽証罪」になる。

もし地権者たちが裁判に出てきたなら、黒木さんは納得いくまで彼らに質問することができる。裁判の証言でウソを重ねるには相当の度胸が必要だ、作り話は必ずボロが出る…、そんな展開にならないか、と期待したい。



… ところで、どうして地権者は裁判を起こさなかったんだろう…???

僕はそんなことを考えた。仮に黒木さんのブログが事実でないのなら、迷惑を被るのは地権者も同じだろう。今回の裁判は日向製錬所とサンアイが仕組んで起こしたものであることは明らかだ。そこに地権者が加わってもおかしくはない。

やはり地権者たちも、喜んでフェロニッケルスラグを受け入れたわけではないのではないか…。これは僕の淡い期待なのかもしれない。

地権者たちにもどこか、良心の呵責が残っていないのだろうか?



地権者たちは裁判に出て、事実を証言してほしいと思う。

「製錬所に頼まれて、ダストを埋めさせてやった。」

誰かがどこかで止めないと、子や孫の世代で、また同じイヤな思いをする人間が出る。日向の里は、あっという間にフェロニッケルスラグで埋め尽くされてしまうだろう。そして、もし有害物質が出てしまっても、私有地に行政が手を差し伸べることはない。その時、どうするんだ?

「フェロニッケルスラグはゴミだ。」

これは地元の住民の間では当たり前の認識ではないのか?ならば、排出元の日向製錬所が起こした裁判は、そんな地元の声を抹殺しようとする最低の「スラップ行為」だ。こうして書いていても、怒りが湧いてくる。

地権者たちよ、勇気をもって声を上げてくれないか。

なぜ山林を造成したのか…。