(国立感染症研究所 村山庁舎 TBS 報道特集 11月29日より)
こんにちは、ボーンズ88です。
今年、西アフリカで猛威をふるっている「エボラ出血熱」。日本でも「感染の疑いのある方」が数名出たことで大変な話題になりましたね。
「ところで、それとスラグ問題、どう関係があるの?」
… ポイントは、そこなんだよね・・・。
そこで、11月29日に放送されたTBS「報道特集」から、内容を一部抜粋して今回の話を進めます。
→ 動画はこちらで。
ご存知の方も多いと思いますが、有効な治療法がなく致死率も高い病原菌等を研究できるBSL4(Bio Safety Level)研究施設は、日本国内では稼働していません。
その理由は「住民が反対している」からです。
「住民の皆さんは、どうして反対しているの…?」
BSL4研究施設である「国立感染症研究所 村山庁舎」は住宅密集地にあります。
(中央に見える白青色の建物が国立感染症研究所 村山庁舎)
この施設が建設されたのはもう30年以上前なのですが、その時に周辺住民に十分な周知がされず、それがBSL4研究施設であることは建設の後から知らされたのだそうです。
「でも、国がやってるから安全なんじゃないの…?」
… そうだといいんだけどね・・・。
福島原発事故以降、こんなこと言いだす人は、「何かの目的でそう言っている」と、思った方がいいくらい、国に対する信頼は失墜しました。特に危機管理については先進国中最低だと言ってもいいと思います。
この施設も計画当時は、「住民には内緒で造って、事故が起きたらみんな死んでね」ぐらいの感覚で進められたものだと思います。「情報隠ぺい」と「泣き寝入りさせる技術」は、日本政府が帝国時代から受け継ぐ「伝統芸」と言っても過言ではありませんね。
そこで住民は署名活動をして、市議会議員が動きました。
そして「住民の合意」が整って、この施設は30年以上稼働していないのです。
今回、エボラ出血熱の対応を迫られた政府は、早速、塩崎厚労相が立地自治体である武蔵村山市へ訪問、藤野市長に「施設の稼働に向けた協議」を打診しました。
「協議はするが、最終的には市民の理解を得ることが大前提だ。」
藤野市長は記者会見でそう語りました。
「ところで、これがスラグ問題と、どう関係があるの…?」
この国立感染症研究所 村山庁舎は、恐らく「国際基準を充分に満たした立派な施設」だと思うのです。何か法的に問題があるとは思えません。
「国としてBSL4研究施設は必要だ。」という人もいます。
「施設は安全だ。」と厚労省や文科相は言うでしょう。
それでも「住民の合意」がないと、施設は稼働できません。
これが「政治的な問題解決」だと思うのです。
「法律的にOK」だからといって、何でもできるわけではありません。
そこには「住民の合意」が必要なのです。
「フェロニッケルスラグの山間埋土」問題。
相手方は「住民の合意」を形成させまいと、いろいろ手を尽くしていますね。
「寝た子を起こすな。」
それが「黒木さんへの裁判」の本質ではないのかな…、
僕にはそう思えます。
<おわり>
【お詫び】
ブログのタイトルを「Dust n' Bones 偽計のスラグ」((前)スラグの偽計)に変更しました。申し訳ありません。急造ゆえ、これからも変更点があるかもしれません。その際はご容赦ください。