もちろんその間、僕がこの問題について興味を失ったワケではない。安保法制国会があって、時間的にそっちに集中していたのは確かだけれど、僕はこの問題を忘れてはいない。
■「黒木さんを応援する」というポジション
今日10月14日、黒木さんの裁判についての判決が出る。
第一回の裁判は昨年の11月14日の事、時が経つのは実に早い。この間、本人裁判を選択した黒木さんの心中は決して穏やかではなかっただろう。
僕は黒木さんを応援している。
判決の内容にかかわらず、このポジションは変わらない。
■ スラグは埋土されたままだ
この11か月の間、金属スラグ関連で大きな動きがひとつあった。それは群馬県で起きた大同特殊鋼による有害鉄鋼スラグの問題だ。
東証一部上場企業の不祥事とあってか、マスコミは大きく報道しなかったが、大同特殊鋼には群馬県警の強制捜査も入っている、いずれ追加発表があるだろう。
もちろん、この事件と日向製錬所のフェロニッケルスラグ埋土は内容が違う。
しかし、「金属スラグの偽装リサイクル」が犯罪行為であることを明確にしたという点で、この事件の意義は大きい。きちんと立証できれば、大企業でも免れることはできないのだ。
黒木さんの裁判結果がどうあれ、スラグはあの場所に埋土されたままだ。また日向市内の別の場所には、「スラグ廃棄場」と呼ぶべき広大な山林の存在を、ネット上で明らかにしてくれた方もいる。
重要なのは、むしろこれからなのではないだろうか。
■ 「スラップ訴訟」を許してはいけない
日向製錬所の起こしたこの裁判は紛れもなく「スラップ訴訟」だ。訴状の中には、過去に黒木さんがとった抗議行動についての記述もあるように思われるが、それらは直接の目的とは言い難い。あくまで原告の目的は「ブログ、ツイッターでの発信を止めること」にある、これはスラップそのものじゃないか。
特に今回の様に、スラップとして名誉棄損裁判を起こされた場合、個人である被告の負担は膨大になる。なぜなら名誉棄損の場合、免責事由を被告側が立証しなければならないからだ。これが個人対個人であるなら費用負担等を考えると抑制も効くが、常時顧問弁護士を擁する大企業対個人になった場合、裁判にかかる負担の差は歴然で、はたしてこれが公正な裁判と言えるだろうか。
こんな卑劣極まりない「スラップ訴訟」を許してはいけない。
今日の判決が、宮崎県で唯一、公正なものであることを願う。
<おわり>
【宮崎県】
わたしみたいな者あいてに、大きい者が裁判を起こしています。
時間のある方は見に来られませんか?
宮崎地方裁判所 延岡支部(2号法廷)
第一回口頭弁論期日
平成26年11月14日 午前10:00
原告:住友金属鉱山の子会社(株)日向製錬所
被告:黒木睦子
— 黒木睦子 (@mutsukuroki) 2014, 10月 18
第一回の裁判は昨年の11月14日の事、時が経つのは実に早い。この間、本人裁判を選択した黒木さんの心中は決して穏やかではなかっただろう。
僕は黒木さんを応援している。
判決の内容にかかわらず、このポジションは変わらない。
■ スラグは埋土されたままだ
この11か月の間、金属スラグ関連で大きな動きがひとつあった。それは群馬県で起きた大同特殊鋼による有害鉄鋼スラグの問題だ。
再利用する鉄鋼スラグは「廃棄物」 群馬県、廃棄物処理法違反で告発
環境ビジネスオンライン 9月18日
群馬県は、大同特殊鋼渋川工場(群馬県渋川市)の製鋼過程で副産物として排出された鉄鋼スラグが建設資材として出荷されていた件で、総合的に勘案し、この鉄鋼スラグを廃棄物と認定した。
同社の鉄鋼スラグは、2002年4月から2014年1月までの間、関係者の間で逆有償取引が行われていた。逆有償取引とは、販売代金より多い費用を管理費・処理費等の名目で支払うものである。
また、この鉄鋼スラグは土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があった。同期間に出荷された鉄鋼スラグの総量は29万4,330トン。公共工事225カ所で使用され、このうち54カ所で土壌汚染が確認されている。
同県は11日、本件について、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に基づき調査を行った結果を発表した。また同県は大同特殊および連結子会社の大同エコメット(愛知県東海市)、佐藤建設工業(群馬県渋川市)の3社を廃棄物処理法違反の疑いで県警察本部に告発した。(略)
東証一部上場企業の不祥事とあってか、マスコミは大きく報道しなかったが、大同特殊鋼には群馬県警の強制捜査も入っている、いずれ追加発表があるだろう。
もちろん、この事件と日向製錬所のフェロニッケルスラグ埋土は内容が違う。
しかし、「金属スラグの偽装リサイクル」が犯罪行為であることを明確にしたという点で、この事件の意義は大きい。きちんと立証できれば、大企業でも免れることはできないのだ。
黒木さんの裁判結果がどうあれ、スラグはあの場所に埋土されたままだ。また日向市内の別の場所には、「スラグ廃棄場」と呼ぶべき広大な山林の存在を、ネット上で明らかにしてくれた方もいる。
重要なのは、むしろこれからなのではないだろうか。
■ 「スラップ訴訟」を許してはいけない
日向製錬所の起こしたこの裁判は紛れもなく「スラップ訴訟」だ。訴状の中には、過去に黒木さんがとった抗議行動についての記述もあるように思われるが、それらは直接の目的とは言い難い。あくまで原告の目的は「ブログ、ツイッターでの発信を止めること」にある、これはスラップそのものじゃないか。
特に今回の様に、スラップとして名誉棄損裁判を起こされた場合、個人である被告の負担は膨大になる。なぜなら名誉棄損の場合、免責事由を被告側が立証しなければならないからだ。これが個人対個人であるなら費用負担等を考えると抑制も効くが、常時顧問弁護士を擁する大企業対個人になった場合、裁判にかかる負担の差は歴然で、はたしてこれが公正な裁判と言えるだろうか。
こんな卑劣極まりない「スラップ訴訟」を許してはいけない。
今日の判決が、宮崎県で唯一、公正なものであることを願う。
<おわり>